クレジットカードの歴史について
クレジットカードの歴史は、1950年に世界最初のクレジットカード会社として設立された「ダイナースクラブ」から始まったと言われています。
1940年代にアメリカの実業家である「マクナマラ」という人物が、レストランで食事をした際に財布を忘れてしまい、常連客であった彼が「ツケ」という形をとったところから、現金を持ち歩かなくても食事のできるシステムを創り出し、それが「ダイナースクラブ」に繋がったと言われています。
日本で最初のクレジットカード会社は、1960年に富士銀行(現・みずほコーポレート銀行)と日本交通公社(営業部門はJTBに分離)が設立した「日本ダイナースクラブ」と言われています。
日本で一番最初にクレジットカードが発行されたのも1960年ですが、発行したのは「丸井(カード名は、現エポスカード)」だと言われています。
1980年代に起こった「DCブランドブーム」で、丸井の「赤いカード」も一気に若者に広まっていきました。
洋服だけではなく簡単にカードでお金も借りれるので、先のことを何も考えずにローンに苦しんだ若者たちがいっぱい生まれたのも「丸井」の功罪かもしれません。
元々日本には、江戸時代から売買代金の支払いを分割して支払うことを条件とした「割賦販売(かっぷはんばい)」というシステムが有りました。
明治に入ってからは、西日本を中心に割賦販売を専門に行う「月賦百貨店(げっぷひゃっかてん)」が設立され、大正に入ってからは東京にも進出したそうです。
その月賦百貨店をルーツに持つのが、丸井や緑屋(現クレディセゾン)・大丸百貨店だと言われており、現セディナの前身のOMCカードのさらなる前身でもある「丸興」を合わせて、最盛期には業界大手4社と言われていました。
このように、日本ではクレジットの土台は随分前からあったということです。
クレジットカードの契約数や供与額
クレジットカードの契約数は、2016年12月末の時点で2億4,619万(対象社数:289社)、2016年1年間の申込枚数は3,023万(2317万件)で、解約数は1664万だそうです。
日本の人口の約2倍ほどのクレジットカードが発行されているということですね?
クレジットカードの契約数を年代別に分けると、
~22歳が358万
23歳~30歳:2,075万
31歳~40歳:4,020万
41歳~50歳:5,704万
51歳~60歳:5,217万
60歳~が7,244万になっています。
男女別に分けると、
~22歳が男:170万・女:187万(全体の1.5%)
23歳~30歳が男:1,012万・女:1,054万(全体の8.4%)
31歳~40歳が男:2,033万・女:1,971万(全体の16.3%)
41歳~50歳が男:2,898万・女:2,793万(全体の23.2%)
51歳~60歳が男:2,692万・女:2,517万(全体の21.2%)
60歳~が男:3,820万・女:3,416万(全体の29.4%)になっています。
30歳以下だと女性の契約数が多いので、これはちょっと意外でした。
やはり、ファッションや美容など身の回り品購入のためにカード契約を考える割合が高いのでしょうか?
60歳以降の契約数が全体の30%近くもあるのもビックリで、まだまだ年金世代は優雅だということなんでしょう。
これが、このまま若年人口が減少していき今の年金制度を支えられなくなったら、こうはいかなくなるでしょう…
将来の日本が非常に心配です。
クレジット会社等が1年間に消費者に信用供与した額は、2016年末で8兆6,566億円、信用供与額のうち2016年末時点において返済されていない残高は、15兆1,241億円という莫大な金額になっています。
CIAが調べた国家予算(2014年発表分)によると、アイルランドの年間歳入額が759億ドル(1ドル110円で8兆3,490億円)、台湾が753億ドル(1ドル110円で8兆2,830億円)なので、クレジット会社等が1年間に消費者に信用供与した額とほぼ同等の金額になります。
また、信用供与額のうち2016年末時点において返済されていない残高は、フィンランドの年間歳入額1,362億ドル(1ドル110円で14兆9,820億円)、インドネシアの年間歳入額1,342億ドル(1ドル110円で14兆7,620億円)と、ほぼ同等の金額になります。
これを考えても、とんでもない金額ですね…?
※年間の実績に関しては、信用情報機関である(株)シー・アイ・シー(CIC)と(一社)日本クレジット協会で若干違いがあり、上記は(CIC)の情報に基づき掲載しています。
(一社)日本クレジット協会の情報によると、クレジットカードの発行枚数は2013年3月末の時点で2億5,979万、契約会員数は2億2,781万になっています。
(一社)日本クレジット協会によると、クレジットカードの不正使用被害額は、2016年の1年間で140億円もあるそうです。
先日も、都税の支払サイトから67万件ものカード情報が漏れていたという事件がありました。
この事件も、発表の2年も前から情報漏れが始まっていたということです。
どれだけ個人的に気をつけていても、管理している方のセキュリティが疎かだと、使用者はどうすることも出来ません。
ましてや今回の件は国の機関が絡んでいる事件なので、対策の見直し等を徹底的に行なってもらいたいもんです。
クレジットカードを必要とするのは何故か?
クレジットを作ろうと思うキッカケは、人それぞれでいろいろな理由があると思います。
特に、最近は実際にお店に行って買い物をするよりも、ネットで買い物をするという人が多いと思います。
東京などの大都市に住んでいるとそこまで不自由は感じませんが、地方都市・小さな町に住んでいると自分がほしい洋服などがなかなか手に入らない。
その為、ネットで簡単に購入できるネットショップは、特に地方に住んでいる方にとっては非常に便利です。
おしゃれな洋服を買いたくても、これまでは地方ではなかなか手に入らなかった。
でも、今はネットショップ等で簡単に手に入ります。
その際に必需品となるのがクレジットカードで、欲しいものをネットで買いたいからカードを作ったという方も多いはずです。
ネットショップなどでは、宅配便の配達員にお金を支払う代引きや、コンビニ払い・銀行振込なども利用できます。
しかし、それぞれ手数料がかかり、手間もかかったりします。
2017年に入ってから、Amazonが精肉や鮮魚・野菜など生鮮食品の販売「Amazonフレッシュ」を開始しましたし、西友などのスーパーも以前からネットで購入して配達してもらいサービスを行っています。
大手のコンビニやスーパーなどでは、普通にクレジットカードでの支払いが可能です。
また、海外旅行に出かけるかたには、現金を持ち歩くのは危険ということもあり、クレジットカードは必ず必要になってきます。
そういうわけで、ネット社会の今、クレジットカードを所有するのは必須ではないかと考えます。